“ぼく、ひろちゃんがダーイスキ”
“ひろみも、さとくんがダイスキ”
好きという言葉を、安易に使っていた時代。
まっすぐ相手を見て、素直な気持ちを口にする。
あの時は、それが普通だった。
今みたいに、見栄やプライドなんか持っていない。
昔は簡単だったことが、歳を重ねるごとにできなくなる。
いつから、手をつながなくなったんだろう?
いつから、好きと言わなくなったんだろう?
何度考えても、記憶なんて、いつもあいまいで…。
正確には覚えていない。
ただ、これだけはハッキリとわかっている。
“俺たちは、もう、あの頃には戻れない”