みずたま(第3章まで公開)

その頃、健二は自分の部屋で、ある写真を手にしていた。
電気もつけずに、帰ってきたままの姿で、それを見つめている。
暗がりに映る、中学時代の思い出。
…彼女と彼と、そして自分の笑顔。
映画を観てからは、嫌になるほど、あの頃の記憶が頭の中で残っていた。
健二は遠い目をしたまま、それをもう一度、引き出しの中に戻す。
そして、気分を無理やり変えるかのように、制服を脱ぎ捨てた。