みずたま(第3章まで公開)

「…何してんだろ、俺」
これと同じことが、前にもあった。
完全に、馬鹿じゃん。
俺は耳から携帯電話をはなし、腕を下ろしていく。
留守番電話のガイダンスが響く携帯電話を、ギュッと握り締めたまま、俺は奥歯に力を入れた。
何してんだろ、本当に…。
街の騒音は、脱力していく俺の耳に強く入ってくる。
何をしても、空回りな自分。
どんなに想っても、意識さえしてもらえない。
電話さえ、出てもらえない。
…何もかも、しんどくなる。
ここにいる自分が、ものすごく馬鹿に見えた。