その頃、俺は家に帰ると同時に、広美の家へ向かっていた。
健二が言っていたことは本当なのかを知りたくて。
玄関の前に立ち、激しくインターホンを鳴らす。
だけど、誰も出てこない。
俺は舌打ちをして、その場で広美に電話をかけた。
だが、何度鳴らしても、応答がない。
「広美のやつ、音出してねーのかよ…」
おそらく、彼女は学校にいる時から、着信音の有無を変えていない。
俺はイライラしながらも、夜にもう一度、ここを訪れようと思い、仕方なく家に戻った。
でも、気になって仕方がない。
健二が見せた余裕の態度が、不安を呼んでいる。