みずたま(第3章まで公開)

見下されているかのような感覚。
沸々と込みあげていた怒りは、一気に爆発する。
「殴られたいの? お前」
健二の胸ぐらをつかんで、俺は低い声で問いかけた。
「殴れる立場かよ?」
健二は動じることもなく、顔を突き上げたまま、鼻で笑っている。
カーッと、頭に血が上った。
やっぱり裏切られていた、やっぱり健二はそういうやつだったと、実感する瞬間。
そう思ったら、自然に俺の手は、彼の頬を殴っていた。
静まり返る廊下。
しばらくして、俺たちに注目する人だかりの中から、駆けつけたクラスメートが止めに入る。