みずたま(第3章まで公開)

広美から、プレゼントをもらった日。
俺、広美と一緒にいたよな?
一緒に、ケーキを食べてたよな?
絶対、嘘だ。
嘘だろ?
嘘って言えよ。
「ふざけてる?」
健二は片方の目を細くして、俺に聞き返してくる。
もはや、周りにいる騒がしい生徒たちの声など、耳に入ってこない。
数歩、彼は足を進めて、腰を軽く曲げた。
そして、顔を突き出して、こう言った。
「どっちが?」