みずたま(第3章まで公開)

俺の顔色をうかがうこともなく、はっきりと自分の気持ちを前に出すところ。
挑発的なあの瞳や、コロコロ変わる表情。
まるで、彼女が目の前にいるかのような気持ちになれた。
似てると思ってからは、他に似てるところはないかと、探してしまうほどだった。
だから、あれで終わりにしたくなくて、連絡先まで聞いてしまった。
健二は、視線をゆっくりと悟に向けた。
彼は両腕を机の上で組み、顔を埋めている。
「心配しなくても…大丈夫だよ」
そうポツリとつぶやいて、健二はアドレスを削除した。