その頃、俺が通う学校では、健二が目の前で微笑んでいた。
「ちょっと早いけど!」
緑の包装紙に包まれたプレゼントを机の上に置いて、笑いかけてくる彼。
俺は微笑み返すこともなく、彼に鋭い目を向けたまま、黙って黄色いリボンをほどいていく。
包装紙の中に潜んでいたのは、柔らかそうなニットの腹巻。
肌色のそれには、真ん中に出べそのような丸いものが付いている。
きっと、シャレのつもりで買ったのだろう。
「これから寒いし、それ着けてろよ」