みずたま(第3章まで公開)

地にトントンとつま先を打ちつけて、竜介は履きかけの靴に指を入れている。
「うそ!? マジでぇ!?」
せっかくセットした髪の毛も、水の泡。
俺はハァッとため息をついて、ガックリする。
そして、仕方なく竜介を見た。
「あ、俺は今からデートだから!」
誘われると察した彼はそう言って、そそくさと側を離れていった。
「…んだよ。つまんねぇな」
口を尖らせて、ブツクサつぶやく俺。
すると、ポケットに入れていた携帯電話が、突然鳴りだした。