普段、一緒にいても、聞いたことのなかった話。
健二は、広美の口から悟の誕生日を知った。
「そっかぁ。じゃあ、俺も何かあげよっかなぁ」
自分を見る広美の前で、健二は別の方向に目をやり、考える。
そして、ひらめいたと言うかのように、再度、彼女を見下ろす。
「俺も何かあげたいし、一緒に買い物しよっか」
少し腰を折り、広美に微笑みかけていく。
急な展開にとまどいつつも、広美はうんとうなずいた。