みずたま(第3章まで公開)

「ごめんな。はい、ジュース」
部屋に戻ると、広美はちょこんと、テーブルの前に座っていた。
「ううん。…変な友達だね」
「そう? あ、借りてきたよ!」
苦笑いをする彼女に、俺は一緒に観る約束をしていた映画のDVDを差し出した。
あーあ。絶対、明日…からかわれるな。
俺はデッキにディスクをセットしながら、ため息をつく。
「日本語? 英語?」
「あ、あたし、英語で観たい!」
でも、その時の俺は、からかわれるということよりも、一緒に映画を観ることのほうがうれしくて、すっげぇ浮かれていた。
未来を知ることができていたら、きっと…映画どころじゃなかったと思う。