みずたま(第3章まで公開)

「あ、そろそろ帰らなきゃ、外…暗くなるぜ?」
数時間後、俺は窓の外を見て、わざとらしく声をかける。
ゲームのコントローラーを持つ健二は、その言葉で時計を見上げる。
…6時25分。
明らかに、早い時間。
「今日、バイトないんじゃねーの?」
健二は横目で、疑わしく俺を見た。
「…あぁ。でも、最近、痴漢多いじゃん?」
俺は目をそらしながら、変な言い訳をこぼしていた。
「…俺、男なんだけど?」
健二は怪しいと言うかのような表情で、俺の顔をのぞき込んでくる。
観念した俺は、手を合わせて頭を下げた。