みずたま(第3章まで公開)

俺は、ぎこちなく返事をした。
「…その子とは、仲いいの?」
少し間を置いてから、問いかけてくる彼女。
瓶ビールを持つ手が、ピタリと止まる。
再度、俺はゆっくり顔を向けた。
すると、真奈もこっちを見ている。
真剣な目に、体が固まった。
「まぁ…幼なじみだから」
俺は、彼女の異様な空気に呑まれ、苦笑いをする。
すると、次の瞬間、真奈はニッコリと笑顔を見せた。
「いいな、幼なじみって憧れる」
そう言って、水道の蛇口をひねり、彼女は布巾を絞りはじめた。
目の前の柔らかい表情に、俺はほっとする。
「あ、そう?」
俺はとまどいつつも、あの表情は気のせいだったのかと思っていた。