みずたま(第3章まで公開)

「悟! 座敷の1番に生中3つ、お願い!」
「はい!」
「あ、これも座敷だから持ってって!」
「はいはぁい」
すれ違いざまにかけられる声、それに合わせてカウンターに置かれる料理。
勤めてから数日で、俺は生ビールを上手に入れられるようになっている。
大体、夜の8時以降から忙しくなるこの居酒屋は、店長と店長の奥さん、そして俺たちバイトで動いている。
バイトのメンバーは、高校生から大学生までの若者6人。
ここでの真奈は、古株メンバーの1人。
そのおかげで、俺はこの場所にすぐなじむことができた。