みずたま(第3章まで公開)

「居酒屋かぁ…」
俺はひじをつき、手のひらであごを支え、考えた。
まぁ、真奈みたいな少しふざけた外見でも、ちゃんと働かせてくれる場所なら、楽でいいかもしんねぇ。
「そうだな。紹介してよ」
雑誌を閉じて、にっこりと微笑む俺。
「じゃあ、決まり! 店長に話したら、連絡するね!」
真奈は満面の笑みで、張り切っている。
そのとき、テーブルの端に置いていた携帯電話が震えだす。
そっと画面を見ると、“広美”という文字が点滅していた。