みずたま(第3章まで公開)

「うん! また明日ぁ」
俺の姿に気がつき、彼はイチャイチャした時間を切り上げて、駆け寄ってくる。
きっと、部活帰りなんだろう。
竜介は首からスポーツタオルをかけて、自転車を押している。
「相変わらず、ウザイくらいにラブラブだな」
こんな風に、この2人と遭遇することは、今までにも数回あった。
能天気にイチャつく中坊に、あきれるというか…、なんかムカついてくるわけで。
俺は皮肉も交えながら、竜介を冷やかす。
「そりゃ、もう学校でも公認の仲ですから!」
嫌味だということにも気づかない彼は、ヘラヘラとにやけながら、隣に並んで歩きだす。