「強気じゃん」
「まぁな。あれ以来、俺ら仲良いし」
健二の言う通り、最近の俺には余裕がある。
それは、この前の一件で、広美との距離が少し縮まったから。
「それで、女遊びもしなくなったんだ?」
健二はクスッと口元をゆるめて、再度、リモコンに目を向ける。
「広美と約束したからな」
口からこぼれるのは、彼女のことばかり。
付き合ってなくても、毎日が広美一色で、恋って楽しいものだなと感じている。
「こんなにキャラが変わるなんてな」
健二はケラケラと笑いながら、ペンで送信パネルをタッチした。
同時に、テレビの画面は切り変わり、大きな伴奏が流れてくる。