「んなわけねーじゃん」
俺は空になったコップをテーブルの上に置き、メニューを手に取って、次に注文するドリンクを探しだす。
すると、健二は選曲をやめて、俺を見た。
「なんだよ?」
キョトンとした表情で首を傾げると、健二はヤレヤレというかのような態度で、ため息をつく。
「お前、歌う曲、間違ってるだろ? 片思い系のやつ、探そっか?」
そう言って、健二は苦笑する。
きっと、告白していないことにあきれているんだろう。
「別に、あせってないし。ゆっくり攻めていくつもりだから」
俺はニンマリと微笑み、部屋に設置されている電話を使って、ウーロン茶を頼む。