「あい。バレンタインの時はさんきゅー。アップルパイ、ほんと美味かった。」


「ふふっ。それ何回も聞いたよ?」


「そーだっけ?…で、コレ。お返し。」


俺はごまかしつつ、袋をあいに渡した。


「ありがとっ///今年は何かな~?いっくんの手作り美味しいから、毎年楽しみなんだよね。」


とか、可愛いことを言いながら、袋を開けるあい。



「わぁ~、ガトーショコラ?おいしそ~っ!!食べていい?」


「どーぞ」


「ふふっ♪いただきまぁすっ」


と、あいがおいしそうに、俺があげたガトーショコラを食べたので少し安心した。



でも、本番はこれからだ。


あいが食べ終わるまで、深呼吸を何度も心の中で繰り返した。