本当に離れようとしているあたしを、まことは必死に追いかけてくる。

ずるいよ。

普段は、放ったらかしやのに。

…そばにおってよ。

もっと大切にしてよ。


「やっぱり…まことしか無理」

結局、あたしはそう言って、まことの胸に飛び込むの。

ホッとした顔で、まことはあたしを抱きしめる。


クモと蝶のような関係。

からみついた糸は、もう離れてはくれない。

…逃げられない。