ベッドの側にあるサイドテーブルには、電気スタンドがあって、オレンジ色の光りを放っている。


そして、天井にも小さなオレンジ色の電気が二つ。


まるで、バーにでも来たかの様な雰囲気だ。


家具も小物も、何もかもシンプルな中で、響くあたしたちの息遣い。


この場所だけ、ベッドの上だけが、違う世界みたいだった。



「由依奈ちゃん…、大丈夫?」


「大丈夫です」


見下ろす彰斗さんの背中に、両手を回す。


「もっと、近くに来て、彰斗さん…」


いっぱいキスをして。


唇だけじゃなくて、あたしにもっと…。


「ヤバイな。いちいち由依奈ちゃんの言葉に、まともな考えが出来なくなってる…」


「それは、あたしも一緒ですから」


どこまでも堕ちて。


あたしと一緒に、彰斗さんも堕ちて…。