「VIPルーム!?」
そんなのがあるの!?
「あ~!由依奈ちゃん、うちの店の凄さ分かってないだろ?」
「え?凄さ?」
ユウくんは、少し不満げだ。
「けっこう、お偉いさんが利用するんだよ?落ち着くって言ってくれてさ」
「お偉いさんて?」
「まあ、“先生”と呼ばれる人とか?後は社長さんだな」
「社長?す、凄い…」
「だろ?実はこの店、基本的に”いちげん”さんはお断りなんだけど…」
「そうだったの!?」
あたし、バリバリの一元さんよ…。
「普段なら、紹介ない人は断るんだけど、由依奈ちゃんは特別」
「な、何で?」
戸惑うあたしに、ユウくんは悪戯っぽく言った。
「だって、オレのタイプだったから」

