彰斗さんのマンションは、高級住宅街の中にあり、その中でもより便のいい場所に建っていた。
「二回目ですね…」
少しフラつく足取りで、マンションの玄関に入る。
「そうだね。由依奈ちゃん、大丈夫?足がフラついてるけど」
「あんまり…。あたし、お酒、そんなに強くないんです」
まして、こんなに緊張してるんじゃ、ますます酔いがまわるのが早い。
「そうだったんだ」
心配そうな顔の彰斗さんは、よろめいたあたしの肩を抱いた。
「あ、あの…」
「危ないから」
優しい笑顔で、彰斗さんはあたしの肩を抱いたまま、部屋まで上がる。
フロントには、スーツ姿の40代くらいの男の人がいて、事務的に「お帰りなさいませ」と言っていた。
やっぱり、彰斗さんは、夢の様な人だ…。

