「由依奈ちゃん…」
彰斗さんは、ゆっくりとあたしを抱きしめた。
香水の匂いと、かすかなタバコの匂い。
どこからどこまでも、大人な男って感じがする。
雰囲気にのまれてるんじゃない。
ユウくんが作った、カクテルのせいでもない。
恋する事に、理屈も理由もいらないもん。
こうやって、ドキドキするのが証拠。
彰斗さんが気になるっていう証拠なんだから。
「ヤバイな。オレ、本気で好きになりそう…」
ギュッと力を込めて、あたしをさらに抱きしめる。
「それは、あたしもです…」
広い胸に顔を埋めて、目を閉じた。
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