どこまで、VIPなのよ。
あまりの世界の違いに、ただ驚かされる。
「これ、食べてみて」
「え?」
そう話しかけられて、彰斗さんの方を見た瞬間、口の中に甘酸っぱい香りが広がった。
何か、口に入れられたみたい。
「おいしい?」
「はい。ちょっと酸っぱいけど…」
「それ、輸入ものだけど、珍しい果物なんだよ」
「そうなんですか?」
ゴクッと飲み込んで、今日は、夢の夜だと思う事にした。
こんなの普通じゃない。
「彰斗さん。何で、こんな風に誘ってくれたんですか?」
「相変わらず、いきなりな質問だな」
彰斗さんは、苦笑いをしてあたしを見た。
「そうだな…。あえて理由を言うなら…」

