「ごゆっくり」
含み笑いを浮かべると、ユウくんはそそくさと出て行く。
まったく、何か勘違いしてるんじゃないの?
とにかく、早く飲もう。
酔わないとやってられない。
「じゃあ、由依奈ちゃん。乾杯」
カチンと軽く、グラスとグラスをくっつける。
ジャズのBGMが、ますますオシャレな雰囲気にさせて…。
あたしは、お伽話のお姫様みたい。
「あ、美味しい。このカクテル」
透明で、少し炭酸の効いたカクテルを眺める。
「だろ?これは、ユウに作らせたオリジナルなんだ」
「えっ!?オリジナルって、彰斗さんの為に?」
「そう。オレ好みに作ってもらった」

