薄いピンク色の甘いカクテル。
「由依奈ちゃんに似合うから」
そう言って、ユウくんが作ってくれた。
こんな事は、当たり前にするって分かってても、やっぱり嬉しいんだよね。
「じゃあ、これで終わりって約束してよ?でないと、帰れなくなる」
渋々、あたしにカクテルを返すと、ユウくんは小さくため息をついた。
「由依奈ちゃんを振る男もバカだよな。もったいない」
「ホント?本当にそう思う?」
「思う、思う。だから、今夜はもう忘れなよ」
「うん!」
カクテルをグビッと飲み干して、あたしは携帯を取り出す。
実は今日、三ヶ月付き合った彼氏に振られてしまった。
ハッキリ言って、そんなに好きな人じゃなかったけど、やっぱりフラれるってショック。

