「それにしても、社長ってホント素敵ね~」
ランチのお店を探しながら、美加がうっとりした様に言う。
「う、うん。そうだね」
「イケメンな上に、29歳!若くして社長になるなんて、よっぽど才能があるって事よ?」
やっぱり、20代だったんだ。
「ジェントルマンだし、本当素敵…」
彰斗さんが素敵な人って、あたしも思ったもん。
だけど、さっきはビックリした。
さすがに気が付いたかな、あたしって…。
「ねえ、美加。社長も普通に、あたしたちと同じエレベーター使うのね?」
「うん。みたいよ?先代の社長も、かなり気さくな人だったって聞いたけど」
じゃあ、これからも、あんな風にバッタリって事があるんだ…。
なんだか緊張する。
そんな事を思っていると、
「由依奈ちゃん!」
後ろから、少し懐かしい声がした。

