「彰斗…、ベッドに行きたい…」


あたしは彰斗に抱き着いて、そうお願いした。


「うん、いいよ。行こう…」


彰斗はあたしを抱き抱えると、そのまま寝室へと連れて行く。


電気を消し、サイドテーブルのライトだけになった部屋で…。


響くのは、乱れた呼吸の音と甘い声だけ。


「あたし…、好きなの。彰斗がやっぱり好き…」


どんな事があったって、この気持ちは消え失せなかった。


「由依奈、オレだって好きだ…。出会えた事を、本当に良かったって思ってる…」


荒い息遣いで、彰斗はそう言う。


本当は、もっともっと伝えたかったのに、それ以上は言葉が出ない。


出てくるのは、甘い声だけだった…。