「私たちの部署は、社長が直接来られる事もあるから、気を引き締めておいてね」
その言葉だった。
オフィスの窓にかかるブラインドから、かすかに見える空を見つめて、あたしの心には、また彰斗さんが現れる。
社長と顔を合わせる事もあるんだ…。
そう思うだけで、なぜだかドキドキしてしまう。
でもそれって、彰斗さんが社長だから?
まるで、シンデレラにでもなった気分でいるだけ?
それは、自分でも分からない。
分からないけど、あの日から二週間、あたしは彰斗さんを忘れられなかった。
それだけは、分かる…。
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