「何よ、これ…」
ガクガク震える手で、しっかりと本を握りしめる。
そこに書かれてあるのは、あたしたちが最初に出会った日、あの夜の出来事から書かれていた。
婚約者がいる身で、女性を連れ込んだ事。
それが、自分の会社の社員である事。
そして二人―、つまり彰斗とあたしはその後、交際を続けている事。
内容はそういうものだ。
「この記事って本当なの?同棲までしているって、書かれているけれど…」
顔を覗き込む美加に、あたしは返事が出来ない。
「これ、大騒ぎになっているみたいね」
お局様は、深いため息をつく。
「社長のあの指輪は、本当は由依奈との約束の指輪とか書かれているけれど…」
美加は、半信半疑なのか、内容をひとつずつ確かめようとしていた。
何で…?
何でこんな記事が出ているのよ…?

