彰斗の左手を掴み、わざとらしく嫌みのこもった顔をする。


「しかも、世界中継までされちゃって、どうするの?みんな噂をしていたよ?」


そう言うと、彰斗は小さく笑った。


「やっぱり噂になるよな?でもそれだけ、オレは本気なの」


「そんな一方的な事をされてもなぁ…」


あたしが口を尖らすと、彰斗は額をつけて覗き込んだ。



「イヤだった?」


「イ、イヤよ…。ドン引き!」


ドキドキする気持ちを誤魔化す為に、可愛いげのない言葉が口を出る。


「そっか…。じゃあ、これは外すしかないな」