「え?口実?」
「そうよ。“どういう事よ~!指輪なんてして!”って、怒鳴り込みに帰っちゃえば?」
う…。
確かに、いい口実にはなっている…。
「たぶん、社長はそれを狙っていると思うわよ?」
「そ、そんな!まさか、計算で指輪をしてきたんですか?」
すると、お局様は頷いた。
「海外支社にも映されているし、柏木さんは追い込まれたようなものね」
「ウソ…」
やられたわ。
どおりで昨日は、すんなり返事をしたわけだ。
“距離を置きたい”と言った事に。
頭の中でカッカしていると、お局様が肩を優しく叩いてきた。
「意地を張っていないで、今夜は社長の家へ帰りなさい」

