「イヤよ!」
まだボーッとする頭で、必死に抵抗をする。
「何でだよ?課長にも迷惑だし、とにかく帰ろう」
あたしの両肩を掴んで、彰斗は必死に説得をした。
「あたし、もう彰斗が信じられないの。これも返すから、出て行って!」
テーブルに置いていた指輪が目につき、それを何とか手に取ると、突き返した。
「ちょっと待てよ。どういう意味だ?」
さすがにハッとした様に、彰斗は手を離してくれた。
「彰斗と別れる覚悟をしているから」
「え?」
呆然とする彰斗に、あたしはさらに続けた。
「別れたい…、って思うから。しばらく、離れていたいの」
「…分かった」
一瞬の間の後、彰斗は小さく返事をした。

