何で彰斗がここに!?


驚きで立ち尽くすあたしを、彰斗は思い切り抱きしめてきた。


「何で勝手に出て行くんだよ!電話も繋がらないし、心配したんだぞ!?」


何で、あたしが怒られるわけ?


納得いかない。


「離してよ…」


体を押し返そうにも、力が強すぎて出来なかった。


そんなあたしにお構いなしに、今度は額に手を当ててくる。


「熱は?もう大丈夫なのか?」


もう~!


お局様ってば、あたしがここにいる事を話したわね。


「放っておいて!触らないでよ」


手を払いのけると、彰斗は困惑した表情を見せた。


「由依奈…、とにかく帰ろう。な?」


だけど、すぐに気を取り戻してそう言ったのだった。