彰斗は風香さんを好きで、あたしとは軽い気持ちで付き合っていて…。
ほんの昨日まで、お揃いの香水をつけていて…。
彰斗だって、風香さんを忘れられていないんじゃない。
もう一度、やり直したいと言われて、心が揺れながら、あたしと付き合っていたのね…。
もし違うなら、あの香水もエンジのネクタイも、とっくに見なくなってるはずなんだから。
もう嫌だ…。
こんな辛くて苦しい思いはしたくない。
彰斗の家で生活をする様になってから、あたしはアパートを引き払っていた。
だから、行く場所がない。
どうしよう…。
途方に暮れていると、
「柏木さん!?」
お局様の声が聞こえてきた。

