「え…?」


呆然とする彰斗に、さらに続ける。


「知ってるのよ。ネクタイと香水の事。約束したんでしょ?結婚しようって…」


そう言うと、彰斗は愕然とした。


「そ、それは…」


「ウソつき!何もかも、全部ウソだったんじゃない!」


泣き叫ぶあたしを、彰斗はどうにも出来ないでいる。


だけど、少し俯いた後、ゆっくりと言った。


「ちゃんと話すから。とにかく着替えろよ。風邪を引く…」



そして、立ち尽くしたままのあたしの腕をもう一度引っ張り、バスルームへ促した。


もう頭の中がグチャグチャ。


シャワーを浴びている間も、涙が止まらないよ…。