外は、いつの間にか雨が降り出していたのに、あたしは傘も借りず、タクシーも拾わず、ただ歩いていた。 まだまだ夜の雨は肌寒いけど、今はそんな事は気にならない。 今さっき、亜子さんから聞いた話しが頭の中に蘇って、呆然とするしかなかったから。 彰斗の過去―。 それは、こういう話だった。