「え…?由依奈、知ってるの?」
そんなに驚く事なの?と思うくらいに、亜子さんは明らかに動揺している。
「学生時代の恋人だったって、龍之介さんから聞きました」
そう話すと、亜子さんはしかめっつらをした。
「龍~!余計な事を~」
「そんなに、隠さないといけない相手なんですか?あたし、昨日見かけたんです。風香さんらしき人を」
「えっ!?」
驚きの声とともに、亜子さんは一瞬だけ、ユウくんの方を見た。
「ねえ、由依奈。話したい事があるから出ましょ?」
「出る?」
「そうよ。いいから早く」
急かされながら、あたしはお店を後にした。
亜子さんてば、急にどうしたのよ…。

