……カラン。
いつの間に、ブルーライトのドアには、ベルがついたんだろう。
ドアを開けると、少しくもった音がした。
彰斗と一緒に帰れない日は、きまってバーへ来ているのだけれど。
「由依奈~!」
また、いた!
“特等席”のカウンターから、亜子さんが手を振っている。
「何で、いつも亜子さんがいるんですか?」
自然とため息が漏れた。
「いいじゃない。相当縁があるみたいね私たち。それより今日、彰斗に会ったのよ」
「彰斗に?」
「ええ。夕方、父の会社に来てて…。あっ、私ね父の会社で働いてるの」
「そうなんですか?」
亜子さんは頷いた。
「それでビックリしちゃった。彰斗ってば、香水つけてなかったんだもん」
その言葉に、あたしはすぐさま反応する。
「それって、風香さんと関係がある事ですよね?」

