会議専用で作られているこの部屋は、入って右手の奥に幅いっぱいのホワイトボードがある。


その手前には、机とマイク。


社長である彰斗が座る場所だ。


そして、それと向き合う様に並べられた長机とイスたち。


一列で、10人は並べる。


それくらい、広い部屋だった。


「私は前の列に座るけど、柏木さんたちは後ろね」


「は、はい」


そう言い残して、お局様は前の列へ行った。


途中、知っている人に会ったのか、何度か「お疲れ様です」と挨拶をしている。


「後ろで良かったわね」


美加が小声で呟いた。


「うん…」


用意された資料を机の上へ置き、座って待っていると、ほどなくして彰斗が入ってきたのだった。