そのどっちでもないよ。
あたしは、今でも変わらず彰斗が好き。
だけど、それは今は言えない。
黙ったままのあたしに、彰斗は起き上がりこちらを向いた。
「オレは、由依奈が好きだから。もし、お前がオレから心が離れてるとしても、言ってもらわないと納得ができない」
聞く?
風香さんの事を…。
でも、もしそれが何かをほじくり返す事なら嫌。
このまま、時間が経てば自然と解決しているのなら、それが一番いいのだけど…。
「ネクタイ…」
「ん?」
「エンジのネクタイを最近つけてないね?」
まったく的外れな質問に、彰斗は呆気にとられていた。
「どうしたんだよ突然」
「ずっと気になってたから。とても似合ってるのに」
「ああ、あれは古い物だから。もうつけないよ」

