一人ドキドキしながら、スーツのポケットに手を入れる。
いつか貰ったペアリングを、毎日ここに忍ばせているんだ。
堂々とはめる勇気はなくて、しかもネックレスにもしそこねて、ここに入れている。
なんだかんだ言っても、彰斗を側に感じていたくて、あたしは肌身離さず持っていた…。
あれ?
ない!?
ポケットの中にあるはずの指輪がなく、片方のポケットを探るもない。
何で!?
慌てて、椅子やデスクの下を見ても、それらしき物はない。
落としたの!?
「どうしたの?柏木さん」
様子に気付いたお局様が、あたしに問いかけてきた。

