「お疲れ様で~す」
時計はすでに20時を回っていて、今日も慌ただしい一日が終わった。
「美加、今日は一緒に帰れる?」
「ごめん由依奈!ほら、例の恋愛相談をされた友達に、会う約束してるの」
「そうなんだ」
ガッカリしながらも、彼女たちのその後も気になるし、あたしは小さく手を振って別れた。
「まあ、いいや。久しぶりにゆっくり帰ろうかな」
だんだんと暖かくなる夜風を感じると、真っすぐ家に帰るのがもったい気がしてくる。
今夜は遅くなると、彰斗からメールが入っていたし、寄り道でもして帰ろうかな。
そんな事を考えていた時だった。
会社を出てすく、後ろから声をかけられた。
「あれ?由依奈さんだよね?」
そのぶっきらぼうな言い方は、忘れもしない…。
「龍之介さん…」
あの最悪なライバル社長だった。

