「でもさ、一つ気をつけないといけないのは…」
美加は顔を近付けてきた。
「うんうん」
そして聞き耳を立てると、小声で言った。
「セックスは、時に勘違いを引き起こすから注意よ!」
「どういう事!?」
「ヤッてる時は、お互いに夢中だし、これ以上ないくらい触れ合ってるでしょ?」
確かにそうだわ。
あたしは力強く頷く。
「でもね、終わってみると現実に戻るの。結局また、同じ悩みを抱えるってわけ」
「そ、そんな…」
言われてみれば、あたしの悩みも何ひとつ解決されていない。
「それに、たちが悪い事に、その悩みはより“好き”が強い方が陥るのよ」
ガーン!!
まさに、その音がピッタリ当てはまる。
彰斗は、自惚れろなんて言ってたけど、正直自信なんてない。
だから、悩みに陥るのはあたしだ。

