含み笑いをしながら、亜子さんはあたしを見つめる。
「でも、そんな事、まかり通るんですか?」
そう聞くと、亜子さんは、目を大きく見開いた。
「由依奈って、案外物事分かってるのね」
「は?」
その、人をバカにした様な言い方が腹立つのよ。
「まかり通らない。だって、お互いの会社の都合もあるから」
はあ?何が言いたいのよ!
「じゃあ、まったく安心出来ないんですけど」
「アハハ。よね?だから、私たち、いかに破談にするかを考えてるのよ」
「何ですか、それ…。亜子さん、あたしをからかってます?」
「からかってないわよ。ただねぇ」
トロンとした目で、もったいぶった言い方をする。
と、その時、亜子さんの携帯が鳴った。

