さっき、ユウくんが言ってたもん。 先生とか、社長とかがいるって…。 この人は? もしかして、政治家とか!? それとも、ベンチャー企業の社長? 「あ、何か考えてるね?」 彰斗さんは、変わらず“大人の笑顔”を浮かべたまま言う。 「いえ…」 何だか、自分が嫌らしい事を考えてるみたいで、慌てて頭の中で打ち消した。 誰だっていいじゃない。 いくら同じに店に通ってると言っても、もはや世界が違う。 これからまた会う事があっても、せいぜい入口までよ。