「来るなら来るって、連絡くらいしろよ」


素っ気ない言い方だけど、あたしにはショックだった。


連絡先、お互い知ってるんだ…。


当たり前といえば当たり前だけど、この口ぶりから、連絡も取り合ってるって分かる。



「急に帰国になったのよ。ふ~ん。この子が“彼女”なんだ?」


まるで見下す様に、あたしを横目で見た。


「こういうやり方、彰斗は昔から変わってないわよね」


「おい、余計な事言うなよ」


何なのよ。


あたしには分からない会話ばっかり。


「それでは社長、あたしは戻りますから」


“社長”と言ったのは、ギリギリのプライドから。


何も持っていないあたしには、プライドしかない。