「ふ~ん。そっか。オレはもう9年通ってる」
「9年も!?」
驚くあたしに、彰斗さんは小さく笑った。
あ…、笑った顔がすごく素敵。
何と言うか、大人の男って感じで、笑い方にも余裕がある。
ついこの間まで、調子のいい大学生の男ばかりに囲まれていたから、かなり新鮮だ。
「あ、じゃあ、彰斗さん店内にいたんですね?」
あれ?
でも、どこに?
テーブル席には、人はいなかったし…。
カウンターにも、見当たらなかった様な…。
「うん。でもVIPの方がいたから、分からなかっただろ?」
VIP!?
やっぱり、この人、ただ者じゃない…。

