この人が…?
チラッと見えた紹介文には、名門女子大を卒業した事が書かれている。
全然、敵う相手じゃない…。
「ふぅん。社長と同じ歳なんだ。でも、何で今まで、表沙汰にならなかったんだろうね?」
「え?」
そう言われてみれば、美加の言う事も一理あるかも。
確か、幼なじみなのよね?
二人とも社長の息子と娘だったんだから、婚約の話しは当然、前からあったとしても不思議はない。
「何か理由があるぽいね。ね、由依奈」
「う、うん」
美加ってば、変なとこで冴えてるんだから。
と、その時だった。
「社長!」
お局様の声に、あたしと美加はお互いに見合って、動揺した。

